初めまして。
西埜馬搬の代表、西埜将世と申します。
2016年に地域おこし協力隊として厚真町に移住し、翌2017年4月に西埜馬搬を開業しました。
ばん馬のカップとスタートし、2018年にポニーのハスポン、2020年にばん馬のウクル、そして2023年に道産子の野歌が仲間に加わり、今は4頭の個性的な馬たちと賑やかに仕事をしています。
厚真町の温かい人たち、
頼れるスタッフの真子さん、
そして家族、
たくさんの人に支えられながら、毎日の現場を乗り越え経験を積んでこられました。
大学時代、獣害調査の山歩きで自然の中で仕事をする楽しさを実感して以来、自然体験施設のスタッフやチェーンソーマンなど、山や森の中での仕事をしてきました。
大沼の観光牧場の立ち上げに携わったときに馬と出会い、触れ合ううちに、その魅力に心をがっしり掴まれて、馬と仕事をしたいと思うようになりました。
そして、私の馬搬人生に大きな影響を与えた、故・上村広美さんとの交流は、馬搬を生業にすることの背中を押してくれました。昔、知内町で馬搬をしていた上村さんに、当時の馬搬の様子を聞かせてもらったり、晩年には一緒に馬搬をしたり、語り尽くせない大切な思い出は、いまも色褪せることなく心に刻まれています。
上村さんに譲ってもらった馬のブラシは、今も大事に使っています。
馬にも人にも負担の少ない
ヨーロッパの馬搬に目から鱗
スウェーデンでの馬搬視察の様子
西埜馬搬は、環境問題に向き合う今の時代に沿った馬搬を目指しています。
私たちの馬搬は一度にたくさんの木材を運べませんが、環境に配慮しながら山林の整備や保全をすることで、山や森を育て次の世代に繋いでいけると考えています。
今のスタイルで馬搬を開業してみようと思えたのは、ヨーロッパの馬搬視察で見た光景がきっかけでした。
スウェーデンでの馬搬視察の様子
イギリスでは、女性1人で馬を操り少量の木材を何度も運び出すという、馬の負担が少なく女性の力でも無理なく行える馬搬の姿に驚きました。
スウェーデンでの馬搬視察の様子
スウェーデンでは、馬の負担が軽減するよう機械を上手く組み合わせるやり方に、こんな方法もあるのかと。そして、ヨーロッパでは環境に配慮した林業のビジネスとして認められているのです。
昔の日本の馬搬は、馬の負担軽減よりも生産性を重視したものでした。そのイメージとは全く異なる光景をヨーロッパで目の当たりにした私は、この環境に優しい小規模林業としての馬搬ならやってみたい、そして今の日本でも、馬搬がビジネスとして成り立つはず。そう実感することができました。
私はこの体験が忘れられず、馬搬を仕事にするにはどうすれば良いかを真剣に考えるようになり、そうしているうちに様々なご縁が重なって、この厚真町に開業をする運びとなりました。
馬と働く魅力は
何ものにも代えがたい
何ものにも代えがたい充実感や達成感
私は馬搬のあとに残る道を見るのが好きです。
馬が曳く木材が残す一筋の道はなんだかひたむきで、辿って歩きたくなってしまいます。
馬搬はやっていてとても面白いです。同じことをしても毎日違って飽きないですし、馬も人も少しずつ成長しているのがわかります。馬とコミュニケーションをとることで、なんとも言えず癒されるのも感じます。
祖父母がよく、家で馬を飼っていた時代のことを話してくれました。「大変だったんだよ」という苦労話なのですが、なんだかとても楽しそうに話していたのを覚えています。
馬と働いていると大変なことはたくさんありますが、それを凌ぐ充実感を与えてくれる。面倒なことや手間のかかることでも、みんなで協力して乗り越える達成感は、今の時代ではなかなか得られない豊かな体験かもしれません。大変だけど楽しい、それもまた馬の魅力だと思っています。
そして、馬の能力は多才です。
林業や農業はもちろん、イベントや教育シーンにおいても、馬が活躍する場はたくさんあります。
これからも、馬と暮らしともに働きながら、心がワクワクする新しいことに挑戦をし続けていきます!
映像クリエイター・山田裕一郎氏による西埜馬搬のドキュメンタリー動画
「馬搬日和」
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